東京都 矢野 泰弘先生
この度は臨床見学をさせて頂き、誠に有難うございました。
茂木先生はセミナー参加者に対し、以前より何度も見学しに来るようにとの話をされていましたが、私は律動法のセミナーに参加してから9年になるにも関わらず、茂木先生の臨床を見学するのは今回が初めてでした。今思うのは、なぜもっと早く見学に行かなかったのだろうということです。今回の見学が私の治療家人生の大きな転機になることは間違いないと思います。律動法が世界最高の手技療法であるという私の確信は更に深まりました。
今回の見学で非常に印象に残ったことがありました。幼稚園から小学生くらいの3人の兄弟妹を治療していた時のことです。長男の子をまず治療していた時に、次男の子が母親の膝の上に乗り、甘えながら大きな声を出していました。先生が母親に説明しているときも、次男の子がうるさく、母親は先生の説明を聞けていませんでした。そこで先生は次男の子に静かにするよう注意したのですが、言うことを聞かなかったので次には厳しく注意し、母親の膝の上から降り他の椅子に座るよう指示しました。その子は別人のように良い子になり静かに椅子に座るようになりました。先生は母親にも、子供は言えば言うことを聞くのだから、しっかり注意しなければ駄目だと厳しく話されていました。
この先生の患者への毅然とした対応を見たときに、先生の「命懸けで治療しなければならない」という言葉を思い出しました。患者を決してお客様扱いせずに、非常に厳しい集中力で真剣に治療を行っていました。
また、この三人の子供達への調整後の変化にも衝撃を受けました。調整は座位のまま空間治療で行っていたのですが、子供達の薄目で淀んでいた目が、先生が調整した後、数秒の間に徐々に大きくなり黒目が濃く澄んで斜視が解消されていく様子が良く分かりました。特に先生に厳しく注意された次男の子の変化は大きく、顔の血色が良くなり穏やかな目で笑みまで浮かべていました。律動法、半症鍼の調整では心、性格までも改善させることができることを目の当たりにしました。
先生は全ての患者に淡々と非常に厳しい集中力で診断、治療していました。常に正中心を通し、足音をたてずに移動する先生の動きは大変に参考になりました。
見学中に自身の体調も更に良くなっていき、良い治療を行うことで、その場にいるだけで元気になっていくことを実感できました。
見学後の日々の臨床においては、見学の時に目に焼き付けておいた先生の臨床に少しでも近づけるよう努力しています。まだまだ未熟ですが全力で精進します。患者を治せない事ほど辛いことはありません。今後も常に向上していく所存です。