10.河南中医薬大学での公開、遠隔治療|半身症候鍼灸研究会は技術向上を望む鍼灸師、医師、鍼灸学生の為に新鍼灸セミナー、講習を随時開催しています。

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メッセージ
現代鍼灸の存続は、理論のみの鍼灸から効果公開鍼灸への変換が必須条件である

10.河南中医薬大学での公開、遠隔治療鍼灸師の方へ

1993年のことである。中国河南中医薬大学付属病院において筆者・茂木 昭は遠隔治療を披露した。腰髄腫瘍手術後遺症から、強度の坐骨神経障害を生じている入院患者を前に、病院側からの「先生の治療も見せてください」との勧めに応じ、では外からしましょうと答え、病棟の外、約50メートルのところから、同行してきた2名の中医師、立会の本、遠隔診断に続く、遠隔治療を行う。

その直後再度、病棟に戻りその患者をチェックした。弱かった腸腰筋、前脛骨筋をはじめ三角筋等全身の筋力が強くなり。歩行も顕著に改善した。続いて直前にこの患者の鍼治療をした中医師の筋力を比較しても、この医師の筋力のほうが弱かったほどである。

この患者の笑顔と様子を見ていた周囲の患者の関心が高まり、ベッド周辺に大勢集まってきた。この病室の隅にいた威厳のある老中医、邵経明医師も遠くから首を伸ばし覗いていたのも印象に残っている。

それ以降、今日までの2箇所の中医薬大学病院との交流においても、小生の本格的治療を促し、見聞しようとの意向がなかった。中国中医学界全体の閉鎖性からしても、この河南中医薬大学病院で体験した度量の大きさは意外であった。またいつか訪問したいと思っているのだが、当時の中医師が現在も在職されているかどうかわからない。何かの形で病院側にその記録があるかもしれない。