5.鍼灸の発展を崩壊させるエビデンスブーム鍼灸学生の方へ
近年、国際的にも我が国においても鍼灸界の動静はいつの間にかEBMの潮流が押し寄せ、それにとっぷり浸っています。この鍼灸の進歩、発展はエビデンスにあるという動向を今日疑う者は誰もいません。これに対してわたしは全く反対の立場をとります。鍼灸の進歩、発展を逆に阻害していると思うのです。鍼灸の最大の価値は病院医療が多くの疾患に結果を出せない無策のときに、それを治すところにあります。
鍼灸のエビデンスとは端的に言えば鍼灸の病院医学・病院医療化に他ならないと思います。現在、国民が西洋医学的病院医療に半ば失望している現実がありながら、エビデンスによって、西洋医学に鍼灸を認めてもらうことに懸命です。